『中村ユキ』さんの本を読みました。
家族エッセー本で、コミックなのに、なぜか図書館では『医療コーナー』にあって、軽い気持ちで読み始めたら、えらいことに……。
「統合失調症」という病気はあまり知らなかったのですが、ユキさんの母親が、彼女が本当に5歳くらいの幼いときに発病してから、現在にいたるまでの過程を赤裸々に描いています。
小学生のユキさんに、母親が包丁を振り回したり、ひどい言葉を吐いたり、幼い彼女を追い詰めます。
そして、正気に戻った母親が「死にたい、死にたい」と呟いたり、それから、10年以上経っても、いいお医者さんに巡り合わなくて、ふたりは苦しみ抜いたり、本当に壮絶でした。
イラストを見て分かると思いますが、絵は軽い感じでギャグに近いので、内容が深刻なのに、どこかに笑いがあったりして、救いがあります。
1巻の最後で結婚する相手の人と巡り合い、2巻目では、その夫と彼女と母親の同居のお話が載っています。
今でもいろいろ問題はありますが、夫になった方が本当に癒し系の人で、苦しんだユキさんも、そのお母さんも、幸せそうに笑っている姿を見て、読んでいたわたしは、まるで身内のように「よかった。よかった」と、安堵して泣けてきました。
──ああ、本当に、こういう出来事を見ると、人生って悪くないなぁとしみじみ思います。
実はわたしの両親もかなり弱ってきていて、一人っ子の自分は、頼る兄弟がいないので、自分だけで両親の面倒を最後まで見なきゃならないので、いろいろ、つらいことがあるのですが、このコミックスを読んで、元気をもらったような気がします。
毎日の生活は単純で、同じことの繰り返しのようなもので、つまらないこともあったり、辛いこともあったりして、うまくいかないことのほうが多いと思います。
しかし、時々──、本当にまれにですが、まるで宝石のように輝く一瞬があると、思うときがありませんか?
その一瞬があるからこそ、まだまだ、人生は捨てたものじゃないなと思って、前を向いて、歩いていけるのだと思います。
*拍手、メッセージありがとうございます。レスは『返信』のページに書かせていただきました。
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- 2011/06/06(月) 18:21:09|
- 日記|
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